滑膜性骨軟骨種症との格闘その2
- Tomita Akihiro
- 2022年8月25日
- 読了時間: 4分
その1の記事はこちら
一度目の手術
手術は激しいロッキングが起きてから約1週間後に行いました。1週間は膝が伸びない曲がらない状態で、足を引きずりながら生活していました。
手術について、「関節鏡による遊離体摘出術だが、遊離体が多数に上るため、全てを摘出できると約束できない」、と説明を受けました。
私の場合は3泊4日で入院しましたが、入院の期間は病院によって異なると思います。
手術自体は1時間もかからず、全身麻酔を受けた私にとっては一瞬の出来事でした。
関節鏡手術は低侵襲と言われますが、そうはいっても皮膚を貫通しているので痛みました。術後初日の夜は特に痛く、点滴で痛み止めと睡眠導入剤を流してもらって、何とか眠ることができました。また、術部から出血してガーゼが滲むのは、別に普通のことなのですが、初めての私には怖かったです。
下の写真が、実際に摘出した遊離体のうち、最も大きいものたちです。執刀医が記念にくれたもので、今でも保管しています。なお、執刀医によれば、遊離体は小さいものを含めると数え切れないほどあったそうです。
左側のやや黄色がかった遊離体が最も大きく、3cmぐらいになります。こんな大きなものが膝関節の中に入っていたと思うとびっくりします。

退院後は1週間仕事を休み、自宅で安静にしつつ、タクシーで通院していました。
術後の膝は内部に血がたまることで結構腫れましたし、動かすと傷口が痛みました。腫れを早く引かせたいと思い、「術後数日経つと温めて血流をよくした方が良い」という記事を信じて少し温めたりしましたが、振り返ると失敗でした。
3回の手術で学んだこととしては、術後はとにかく腫れが引くまで冷やす。また、痛みが強くならない範囲で、膝周辺の筋肉を動かしたほうがいい、ということです。この3年後にアメリカでも同様の手術を受けるのですが、その時に強く指導されました。
1週間経ってからは片側松葉杖で出勤を開始しました。東京の満員電車に乗るのは怖かったので、なるべく空いている時間に空いている車両で通勤しました。
ただ、この通勤もやはり膝に負担だったようで、腫れが引くのに非常に時間がかかりました。毎週通院して、腫れている膝に注射して内部の血を抜いてもらうのですが、1カ月ぐらいは真っ赤な血がたまっていました。途中から両側松葉杖に変えて、徹底的に手術した右膝をかばいました。
現在ならオフィスワーカーの方はリモートワークができるとは思いますが、術後は腫れが引くまで負担をかけないことが大切です。
また、リハビリも週1日通いました。理学療法士から松葉杖の使い方のほか、リハビリとして取り組むべきセルフケアを教わりました。リハビリをどれぐらいまじめに取り組むかは、その後の経過を大きく左右すると思ったので、真剣に行っていました。
結局腫れが引いて松葉杖が取れるのに2か月以上かかりましたが、私の場合は膝が損傷しているわけではなかったので、手術の傷が治ると比較的すぐに元の生活に戻れました。
痛みなく歩けるようになり、旅行に行けた時は喜びもひとしおでした。
二度目の手術
予想できたこととはいえ、再発すると気が滅入るものです。
一度目の手術から9カ月ほどだった頃、膝に引っ掛かり感を覚えるようになりました。
もちろん1回目の激しいロッキングとは違い、痛みも強くありませんでしたが、「再発してるんだろうな」とわかるぐらいには違和感を覚えていました。
一度目の手術を担当してくれた先生のところで改めて検査すると、やはりいくつか遊離体が確認できました。
痛みが強かったわけではありませんが、いずれもう一度手術をするのであれば早いほうが良いだろうと、仕事の都合も考慮しながら、再手術に踏み切りました。
耐え難い症状になる前に、時間に余裕を持って対応したほうが、周囲にかける負担も小さくなりますし、何より自分の心の準備ができます。
2度目の手術で摘出された遊離体は、数mm程度のものが数個だけでした。手術では滑膜の炎症もあまり確認できなかったため、「既にできている軟骨種が遊離体になったんだろう。症状の進行は収まっている」と告げられました。
また、2度目の手術は1度目より手術時間が短く済んだことで、術後の痛みは1度目ほどひどくありませんでした。
術後の経過も良好で、腫れが引いたのも1回目より相当早かったと思います。
ただ、心残りなこととしては、術創部の癒着に対して何のケアもしなかったことです。
この術創部の癒着が現在の痛みの遠因になっている可能性があります。手術後、傷口の抜糸が終わった段階で、痛みが出ない程度に術創部を柔らかくするケアをすべきだったと思います。
2度目の手術でもう終わったと思っていた私ですが、2年後にアメリカで再発します。
次の記事ではアメリカでの手術を、日本との違いに焦点を当てながら、ご紹介したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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